大手ゼネコンに転職せず、飲み屋で「土木会社」の起業を決めた元営業マン

コンクリ–ト構造物の補修・補強工事を手掛ける志馬建設

志馬建設株式会社は平成16年の設立以来、道路、橋梁、港湾などの公共事業を中心にコンクリート構造物の補修・補強工事を手掛けている。平成24年からは建築の領域にも進出。注文住宅や店舗デザイン・リノベーションに乗り出した。

同社の代表・但馬行雄さんは、もともと独立起業する考えはなく、大手ゼネコンに転職するつもりだったが、ひょんなキッカケから志馬建設を設立することになったという。

もともと営業職だった但馬さんが独立するに至った経緯など、ご自身の土木人生について語ってもらった。

大手ゼネコンに転職するつもりが、志馬建設を創業

但馬行雄(たじまゆきお) / 志馬建設株式会社 / 建築一式工事(材工) | コンクリート工事(材工)
但馬行雄(たじまゆきお) / 志馬建設株式会社 / 建築一式工事(材工) | コンクリート工事(材工)

–但馬さんが建設業界に入られた経緯は?

但馬行雄(以下、但馬) 20歳のときに不動産業と建築業を営んでいる企業に入社し、24歳で土木会社に営業職として転職しました。その会社は現場の人材が不足していたので、半ば強制的に現場で働かされるようになったのが実際の建設現場に入ったキッカケです。それ以降は現場経験を活かした営業もしていましたが、8割は現場での仕事になっていきましたね。

–但馬さんが独立したキッカケは?

但馬 やるしかなかったんですよ。自分は大手ゼネコンに転職するつもりだったので、独立する気は全くなかったんです。ただ当時お世話になっていた元請け会社の方と飲みに行った際、突然「会社作ってよ」って言われて、「マジっすか、ま、いいっすよ」って感じのノリで、3日後に会社を作っていました(笑)。

でも、会社を作ってくれと言った担当の方が2ヶ月後に転勤になってしまい、結果的に仕事が全然入ってこなくなったんです。会社設立後すぐに仕事の受注相手もない状況に陥ってしまいました。今は笑い話ですけど(笑)。

そこからは、もう意地でした。インターネットや人の繋がりに頼らず、ひたすら頭を下げて回っていました。それこそ飛び込み営業もやりました。

–取引先を増やすことで必死だったと思いますが、独立されたことに不安や苦労は?

但馬 それがないんですよね。いま振り返ると苦労もあったと思うのですが、楽しいことのほうが多かったんです。有名な建物での仕事を請けると、ほぼ現場にいただけの仕事でも「すごいね、君たち」と言ってもらえて、勝手に箔が付いたお陰で徐々に仕事が増えていきました。

建築の仕事は面白いけど儲からない

志馬建設の建築部門「BASE+」

–現在、経営者という立場での楽しいことや苦労は?

但馬 自分の性格上、ものを作ることが好きなので、今も現場に出て手を動かすこともあります。ちょうど昨日も、現場で左官工事の仕事をしていました。

経営者としては当然嫌な仕事もありますが、基本的には好きな仕事を選ぶことができます。嫌な人と会う必要もないですし、嫌な仕事をする必要もない。会社を作ってみたら、良いことしかないんです(笑)。

–好きな仕事を選べるということですが、現在お仕事をされる上でのスタンスは?

但馬 昔と違って、今では自分たちから「仕事をやらせてください」とは言わないです。取引先から仕事の提案がきた際に見積もりを提示して、双方が納得できれば進めるという形にしています。決して値引きには応じません。

–今まで土木の仕事でこれは大きかったなというお仕事は?

但馬 特にはないですね。毎年同じことをやっているのでちょっと飽きてはきていますけどやめるわけにはいかないからね(笑)。

ただ、平成24年に建築部門として「BASE+」を立ち上げたので、そちらは刺激があります。一年に一棟くらいのペースで家やビル、工場まで手掛けているんですが、それは作っている工程が見えるので面白いんですよね。でも全然儲からない、なんでだろう(笑)。

–建築を手がけているとのことですので、社内デザイナーさんがいらっしゃるんですか?

但馬 自分でデザインを描いています。マンションなどは不動産会社に土地を探してもらって、自分が好きなようにデザインしたマンションに仕上げてから建売りする形が多いです。

土木業は「未払い」があれば仕事はなくなる

独立の経緯を語る志馬建設株式会社代表・但馬さん

–建設業界では未払いの話をよく耳にするのですが、土木業界ではいかがでしょうか?

但馬 土木の世界は狭いので、未払いなんてしたら一気に話が広がって仕事はなくなりますよ。基本的には信頼して仕事をお願いしていますからね。

–建設業では特に人材不足が課題ですが、志馬建設さんではどのように人材を探していますか?

但馬 求人を出したことはあるんだけど、若い人は建設の仕事をやりたがらない。内定を出したとしても他社に就職しちゃうんですよね。だから最近は信頼できる人に紹介してもらったり、現場で話をしていて見込みがありそうだったら「うちに来ないか」って誘っています。

最近も現場で話をした子たちがいて、会社が倒産したという話をしていたので、そのままうちで面倒みることにしました。

–但馬さんの人材育成について考えがあれば教えてください。

但馬 志馬建設では基本的に素直な人や人間力がある人を受け入れているので、学歴も経歴もバラバラです。育ててるつもりはないんですけど、一緒に現場に入って時間を共に過ごしているうちに自然と世間のことや仕事の指導もしています。

志馬建設を大きくしたい

今後のビジョンを語る志馬建設株式会社代表・但馬さん

–志馬建設の今後のビジョンは?

但馬 会社設立から15年が経って、今後、人を増やして大きくしていくかどうか、ここ1年くらいすごく悩んでいました。経営能力がある自信はないんですけど、今は志馬建設を大きくしていくために動いています。

ただ、大きくしてしまうと自分で現場に出たり、好きな仕事を選んだりできなくなるし、会いたくない人にあったりしないといけないな、などと色々考えてしまいますね。でも、会社を大きくするほうが夢があっていいですからね。

–建築部門「BASE+」の今後は?

但馬 こればっかりは正直なんとも言えないです。建築の市場はすごく悪いので、その中で大きくしてもな、とも思いますし、まだ大きくする要素も見つけられていないんですよね。

建築部門は様子を見ながら徐々に進めていきます。ただ、工場や民間の建物をもっと作りたいので営業は進めていくつもりです。

企業情報

社名/志馬建設株式会社

https://sustina.me/company/658517

本社所在地/神奈川県横浜市中区相生町6-104-2 横浜相生町ビル10階

自社請け可能職種/建築一式工事(材工) | コンクリート工事(材工)

対応可能エリア/東京都 | 神奈川県


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