大工も超「売り手市場」、独立1年目の職人でも仕事を断る時代に

独立したての大工職人でも仕事を選ぶ時代

大工職人は今、完全な「売り手市場」だ。

仕事を選べる立場にあるため、大工仕事にこだわりを持ちやすい状況にある。

槙工務店の加藤槙人さんも、独立してまだ1年足らずの大工だが、「安けりゃいい」という値段ばかり要求される工事は断り、建築物の品質を追求できる仕事だけを選んでいる。

こだわって大工仕事を請けている職人は、どうすれば古き良きスタイルを踏襲していけるのか。大工歴15年の加藤さんにいろいろ話を聞いてきた。

工務店に就職後、大工として独立した

加藤槙人(かとう・まきと) / 槙工務店 / 内装一式工事(材工)、大工工事(材工)
加藤槙人(かとう・まきと) / 槙工務店 / 内装一式工事(材工)、大工工事(材工)

–加藤さんが大工を目指したきっかけは?

加藤槙人(以下、加藤) 学生時代から、自分が座って仕事をする職業に就くことがイメージできませんでした。モノづくりが好きだったので、モノを作る仕事、大工になろうかなと。

高校卒業後に、伝統大工を育成する学校に通って、授業がないときは学校指定の工務店で実際の現場に入っていました。そこで実技を学んだ後、工務店に大工として就職しました。

もともと将来的には独立を考えていたので、6年ほど工務店で大工職人として経験を積んで、昨年独立しました。大工歴は今年で15年くらいになります。

–得意な大工仕事は?

加藤 新築からリフォームまで、木造住宅全般が得意です。伝統工法を使った古民家再生や、古き良き木造建築を修復する工事も多く経験してきました。

クオリティ重視の大工仕事しか請けない

–仕事でこだわっていることは?

加藤 「安けりゃ何でもいいから」とか、ただ値段のことだけ求められる案件は受けません。結果的に、安い仕事は断っています。

理由は、私がやるよりも大手企業のほうが安く提供できるし、クオリティを第一に求めていないのなら「僕じゃなくてもいいんじゃないかな」と思うからです。

やはり、品質を大切にしています。いま直接請けている仕事は、打ち合せから大工として叩く(施工する)ところまで自分でやっています。

これ以上仕事を増やしてしまうと、品質を保持できなくなる可能性が出てくるので、積極的に仕事を増やそうとはしていないです。

やっぱり僕は大工なので、大工にしかできない仕事をして、それをお客さんに見てもらいたいと思っています。

–職人仲間にも品質重視を求める?

加藤 話しやすさや付き合いやすさなど、人柄を見ています。

自分の経験談ですが、人柄が良い人はそれに比例して職人としての腕も良い人が多いと思います。口だけ達者な人は、すごく苦手です(笑)。

大工の独立とトラブル

鉋がけをする大工の槙工務店・加藤槙人さん

–どのような形態で仕事を請けている?

加藤 今までは人工仕事をたくさんこなしてきたのですが、今後は仕事の受け方を変えていきたいと考えています。

社員を迎え入れたいと思っているので、お客さまから直接お仕事をいただく形にシフトしていくつもりです。日当の仕事は、従業員がいると成り立たない仕事の請け方ですからね。幸い、今は直接依頼される仕事の割合も増えてきています。

–大工として独立後、トラブルに遭ったことは?

加藤 今のところトラブルはありません。最初にお話しして、様子がおかしいなと感じた時点で、仕事を請けないようにしています。

怪しいと感じる人は仕事の話をしていてツジツマが合わないことを言っていることが多いんです。そういう話を持ってくる人にはあまり関わらないようにしますね。

–今後の目標は?

加藤 大工の強みを前面に押し出した上で、会社の規模を大きくしたいなと考えています。軸としては、大工仕事や技術が必要な住宅から店舗づくりを今後もやっていきたいですね。

現在は経営者と大工の両方をやっていますが、自分が年を重ね、大工仕事が難しくなっていくことも考え、経営の質を上げていきたいと思っています。

[企業情報]

社名/槙工務店

https://sustina.me/company/654403

本社所在地/東京都西東京市下保谷5-6-12-103

対応可能職種/内装一式工事(材工), 大工工事(材工)

対応可能エリア/東京・神奈川・埼玉・千葉


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